航空会社のCA(客室乗務員)志望者の就職活動

航空会社のCA(キャビンアテンダント、客室乗務員)は、なりたい職業ランキングでは常に上位にランクインしている人気の職業です。ナショナルフラッグキャリアからプライベートジェット、LCCに至るまで航空会社と言っても様々な会社があり、現在、路線拡大中で大量採用している会社もあるので、今が狙い目の職業でもあります。

乗客として飛行機に乗ってみると、CAに接する機会は主に食事やドリンクサービス時です。一見華やかに見えるCAですが、意外にもお客様に見えないところの仕事に多くの時間を費やしています。

ここでは、CA仕事内容や適性、外資系と日系の違い、正社員と契約社員の違いなどについて解説していきます。

航空業界
目次

客室乗務員の1日の仕事内容①準備から搭乗まで

身だしなみを整える
まずは身だしなみを整えることから、CAの1日は始まります。出社してから制服に着替えたり、外国ベースだと制服のまま出社したりと様々です。

ブリーフィング

その日の流れを、一緒にフライトするチームで確認します。緊急避難時の対応や、ファーストエイド(応急処置)の知識確認など。フライト時の目標共有では、チーフが目標を述べる場合や、新人CAがフライトで上達させたいことや気をつけたいことを述べる場合があります。その後に、パイロットから航路や天候の情報などを聞き終了です。

機内での安全確認

飛行機には消火器や酸素ボンベなど、普段お客様の目の触れないところに多くの器機が搭載されています。その器機についている目盛りの数字を確認して、問題なく使用できるかどうかを確認。担当する緊急避難口になるドアや、そこに搭載されている脱出用シューターに不備がないかも念入りにチェックします。

食事・ドリンク・免税品の確認

お客様の搭乗率に合わせて食事やドリンクの確認をします。足りないことがないよう、ギャレー(キッチン)担当者は地上の職員と念入りにチェックします。

お客様の搭乗・リクエスト対応

CAが笑顔でお客様をお出迎え。この時間にもお客様からのリクエストがあるので、以下のような対応や確認事項をこなします。

・ブランケットや枕の配布
・赤ちゃんがいるお客様にはベビーベッド設置の確認(設置できる場所のみ)
・航空会社によってトランプがある場合はご希望のお客様に配布
・緊急避難出口のお席の方へのご案内
・ステータス会員様にご挨拶
・スペシャルミール(アレルギーや宗教に配慮した機内食)の確認
・免税品を事前注文した方への確認
・アナウンス

飛行機出発直前に発生する業務

飛行機に収納できる荷物のスペースは限られているので、頭上のスペースに入りきらない場合はカーゴ(預け荷物を入れる場所)に移動。出発時間間際が多いので、地上スタッフとCAが連携を取り迅速に行います。

乗客は全て座っているはずなのに、出発までしばらく待たされた経験がある方もいるでしょう。お客様の数がチェックイン時と搭乗時に合っていない場合に、地上職員はゲート付近を探し、CAは機内でお客様の数を数えたり、アナウンスをしたりしてお客様を探します。万が一、見つからない場合はその方の預けている荷物をオフロード(預け荷物を飛行機から下ろすこと)をします。

離陸時の乗客の安全確認も、出発直前の重要な仕事です。シートベルトの着用や、手荷物の収納などを確認します。

客室乗務員の1日の仕事内容②機内サービスからお見送り・清掃まで

機内サービス
路線や航空会社によって、サービスの流れは多様です。食事、ドリンクサービス、免税品の販売などを行います。

クレーム対応

機内では本当に様々なクレーム(苦情)が発生します。ここではほんの一例を見てみましょう。

・飛行機の遅延・変更
・リクエストした座席ではなかった(隣同士、窓側、通路側、一番前の席、緊急避難出口の席が良かったなど)
・席のパーソナルTVが壊れている
・前の人が座席を倒しすぎている
・周りの人がうるさい
・食事の選択肢が気に入らない(アレルギーや宗教上の理由も含む)
・CAに頼んだものが来なかった、忘れられた(飲み物の追加など)
・買いたい免税品が売り切れている

こんなリクエストも…

素敵な男性から、「ステイ先でお食事でもいかがですか?」というリクエストがあることも。CAはどの様に対処しているのでしょうか? 航空会社によっては、名刺を受け取らないことは失礼に当たるので、トレーニングで名刺は受け取りなさいと教えられるとか。食事に行くかどうかは個人の判断です。

CAの休憩時間

ロングフライトの時は休憩時間があるので、クルーバンク(ベッドがある部屋)で交代で仮眠を取ります。ベッドは2段ベッドになっており、安全の為にシートベルトがついています。

CA達もお客様と同じ機内食を支給されますが、食べる人と食べない人がいます。人間の味覚は上空では感じにくくなるので、お客様に美味しいと感じてもらうよう機内食の味付けは濃いめになっています。健康志向や美意識の高いCAは自分で作ったり、外で買ったお弁当や、サラダ、フルーツを食べたり、お水も自前のものを持ち込むCAも。

ステイがあるフライトでは、CA達も旅行気分です。お客様と一緒で飛行機を降りたらCAも自由時間なので、CA同士でレストランや、お買い物、マッサージなどの情報交換をします。好奇心旺盛な人が多いのも頷けます。

機内清掃

機内で快適に過ごして頂く為、ゴミの回収や、トイレ掃除、ギャレーの整頓は頻繁に行います。

緊急時の対応・急病人の対応

毎回緊急事態が起こるわけではないですが、保安要員として常に冷静に対応できるよう、CAは訓練されています。入社後と定期的な訓練で、緊急避難時やファーストエイド(応急処置)ができるように知識を身につけているのです。

着陸・お見送り

安全確認をし、離陸時同様CAもジャンプシートに着席します。無事に目的地に到着したら、笑顔でお客様をお見送り。

機内の清掃・折り返し便の準備

フライトスケジュールによっては、1日4便も乗務することがあります。LCCでは機内清掃もCAの業務の場合もあります。

CAにはどんな人が向いている?

健康で体力に自信がある人

CAは職業柄生活リズムが不規則になりがちです。搭乗する便によって出社時刻が異なり、早朝の便だと日が昇る前に出社しなければならないこともあるそうです。国際線に搭乗する場合は長時間に及ぶフライトや気候差や時差によって体力の消耗が激しいです。高校以来運動をされてない方は今のうちに体力づくりを始めたほうがいいでしょう。

コミュニケーションが好きな人

CAは接客をする機会が多いので、人とコミュニケーションをするのが得意な人に向いています。また、外国人の客を接客する場合もあるので、日本語でのコミュニケーションだけでなく英語でのコミュニケーションも取れるようになる必要があります。

協調性がある人

CAは班単位で行動することが多く、一定期間はその班で業務を行うことになります。便によっては十数時間一緒に働くことになるので、メンバーと協調していく必要があります。

CAになりたい気持ちが一番重要

一番大切なのは、CAになりたいという気持ちです。サービスや保安要員としての知識、メイクの仕方や立ち振る舞い、言語などはしっかり会社に入ってからトレーニングがあるので、そこで身につければ問題ありません。

CAになるための資格や条件

採用条件は?

CAに応募するために必須の資格などはとくにありません。国内の航空会社だと、専門学校・高等専門学校・短期大学・4年制大学または大学院を卒業していることが応募資格となっていることが多いようです。

また身体的な条件として、健康であることやコンタクトレンズ矯正視力が両眼とも1.0以上であることが応募条件となっている航空会社もあります。

身長は?

身長が低いとCAになるのは難しいという話を聞いたことがある方も多いでしょう。実際に海外では、身長の基準を設けている航空会社もあります。

国内の航空会社では身長についての記載はありませんが、一般的には160cm以上の身長があることが望ましいとされているよう。それより身長が低いと頭上の荷物入れに手が届かないため、業務に支障をきたす恐れがあるというのが理由のようですね。

CAに英語力は必要?

国際線であれば利用者のなかには日本語が通じない人も多くいます。JAL・ANAのCA採用の募集要項を見ると、どちらもTOEIC600点以上が条件となっているようです。TOEIC対策だけすれば英語を話せなくてもとれる点数ではありますが、英語を話せないと実際に業務をする際に困ることになるでしょう。

CAに求められるきめ細かいサービスや心配りをすべての人に届けるためには、意思疎通できる英語は必須のスキルです。時間のある学生時代に英語の勉強をしておくことをすすめします。

日系?外資系?自分にはどちらが向いているか?

日系と外資系では、仕事内容や環境、待遇などが異なります。日系では、サービス重視でゆっくり丁寧なサービスをする会社が多いですが、外資系では効率を重視したサービスを行うところが多いです。

もちろん日系の場合は同僚はほとんどが日本人となりますが、外資系の場合は様々な国籍のクルーと働きますので、英語は必要不可欠です。文化の違う人々と働くには順応性も必要でしょう。

実際は日系から外資系へ、外資系から日系への経験者の転職も頻繁に行われています。就職してから後悔することがないように、自分にどちらが向いているかをよく考えてみてください。

正社員か?契約社員か?

長期雇用者確保の為、近年JAL,ANAの国内大手航空会社はCA採用を正社員化しました。年金や退職金という面では雇用者にプラスになるでしょう。

福利厚生として、産休や育休の制度が計2〜3年程あります。(2017年度12月現在) 外資の場合、ほとんどが契約社員という扱いになり、昇進の機会が与えられなかったり、ヨーロッパ系の場合は契約が3〜5年のところもあるので、契約が終了したらどうするかを考えなくてはなりません。

ベースは日本か?外地か?

※ベースとは生活の基盤を置く場所で、その場所からフライトのスケジュールが組まれます。フライト先のホテルに泊まることはステイと呼ばれます。

例えば日本ベースの日系エアラインの場合、班フライトで3~6ヶ月は同じ班で決まった路線を飛び、その合間に他のフライトが入ってくるパターンが多いです。

外資系でも日本にベースを置いており、特定の路線のみに乗務する会社もありますし(デルタ航空、チャイナエアライン、中国国際航空など)、外地ベースで現地のクルーと同じように全ての路線に乗務できる会社もあります。

(例)
キャセイパシフィックエアウェイズ:香港
エミレーツ航空:ドバイ
カタール航空:ドーハ

海外での生活に慣れている人には外地ベースは向いていますが、環境に馴染めないと始めは生活も仕事も大変になってしまい、ストレスになります。予め、自分はどちらの方が向いているのか考えておいた方が良いでしょう。

CAの人間関係

先ほど日系の班フライトについて述べましたが、もし苦手な人と同じ班になってしまっても、数ヶ月で班は変わります。普通の会社は常に同じ人と働きますが、そこはCAが特殊な職業と言われる一つの理由です。

外資の場合はほぼ毎回のフライトが全く別のクルーで構成されるので、その時のチームに合わせる働き方ができるかどうかも重要なポイントです。言ってしまえば、苦手な人ともその日をやり過ごせば、次の日は違うメンバーとフライトとなるので、楽と考えるクルーもいます。

インターンに行ってみよう

CAに興味がある方は航空会社が実施している客室乗務員職のインターンに参加してみるといいでしょう。インターンでは業務を体験するだけでなく、現役の客室乗務員から話を聞ける座談会をプログラムに組み込んでいる企業もあります。
実際の業務を体験したり、現役のCAと交流することでCAに対する理解を深めることができます。企業によってはESや面接を課すところもあるので、就活対策にもなります。

最後に

今回はCAの業務と適性について軽く触れました。倍率が高いので、ハードルが高く見えてしまいますが、必要とされる能力は後から身につけられるものが多いのも事実です。

それよりも大切なことは、自分に合った会社を見つけることです。CAは経験者の転職が頻繁に行われていますが、前の会社の方が良かったという話もよく耳にします。自分はどういった環境で働きたいのか、会社を選ぶ前によく考えてみて下さいね。

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