「座右の銘」を就活の面接で聞かれたらどう答える?

就活で稀に聞かれる、対処の難しい質問というのがいくつかあります。
その中の1つが「あなたの座右の銘を教えてください」というものです。
「座右の銘」という言葉の意味がよくわからなかったり、知っていても「20年かそこらじゃ、そんなものないよ!」という人は少なくないと思います。
今回は就活で座右の銘を質問する意図や、回答の具体例についてみていきたいと思います。

座右の銘
目次

座右の銘とは

自分が心に決めた、大事な考えや守るべき信念という意味の言葉です。自分の価値観や行動基準のもとになっていることが多いです。 有名な座右の銘としては野球のイチロー選手の「継続は力なり」や、Softbankの孫正義さんの「志し高く」などがあります。

こうしてみると座右の銘は一般人にはあまり身近でないものに感じてしまうかもしれませんが、就活で問われる「座右の銘は何ですか?」というものはそれほど難しく考える必要はありません。

「座右の銘」の質問で求められていること

座右の銘の質問を通じて、面接官はなにが知りたいのでしょうか。この章では、面接官が「座右の銘」の質問を通して、知りたいことについて説明します。

学生の人柄、価値観を知りたい

座右の銘には、その人なりの価値観が反映されています。面接官は、学生が今までの人生で、どんな価値観を大切にしてきたのかや、これからどんな価値観を大切にしていきたいのかを知りたいと考えています。

座右の銘を聞いた後に、具体的な学生時代のエピソードや自己PRを質問されることが多いです。これは、価値観に一貫性があるのかを確かめるための質問だといえます。

学生の価値観が、会社の雰囲気にマッチしているかどうか

面接官は、学生の価値観を知った上で、会社の雰囲気とマッチしているかどうかも考えています。価値観は、仕事のスタンスにも大きく影響を与えます。そのため、学生が会社になじめるかどうかも含めて見られています。

だからといって、座右の銘をあえて会社にあわせて答える必要はありません。じぶんの今までの行動や、これから大切にしていきたいことに矛盾がないような座右の銘を答えるようにしましょう。

座右の銘の探し方

座右の銘を探すときのポイントは、

・自分の性格(頑張り屋、慎重、粘り強い、陽気、寂しがり屋など)
・自分の行動の癖や習慣、心がけていること(毎日必ず○○する、どんなことにも全力で取り組むなど)

など自分の今までの行動などを振り返ってみて共通していることを思い返してみることです。そこから自分を端的に表す言葉を探してみましょう。

例えば
慎重な性格であれば
→石橋をたたいて渡る、用心堅固など

毎日必ず自分で決めたことをするのであれば
→継続は力なり、石の上にも三年など
を挙げることができます。

「慎重 座右の銘」などのように、“自分に関するキーワード+座右の銘”でインターネット検索をすると多くの場合、類義語がたくさん出てきます。 その方法で導き出した座右の銘がしっくりこないと感じたら、キーワードをさらに踏み込んで解釈してみましょう。

実際に、どのような座右の銘を答える学生が多いのでしょうか。学生が座右の銘として答えることが多いものを、具体的に紹介します。

四字熟語
・一期一会(人とのつながりを大切にする)
・粉骨砕身(何事も全力で取り組む)
・七転八倒(失敗しても粘り強く挑戦する)
・気宇壮大(心意気や発想が人並み外れて大きいこと)
・雲外蒼天(努力して克服すれば、快い青空が望める)
・克己復礼(私欲に打ち勝ち社会の規範や礼儀にかなった行いをすること)
・初志貫徹(最初に決めた志を最後まで突き通すこと)
・不撓不屈(どんな困難に出会ってもけっして心がくじけないこと)
・融通無碍(行動や考えが障害なく、自由で伸び伸びしていること)
・剛毅果断(意志がしっかりとしていて、思い切ってことを行うこと)

ことわざ
・石の上にも三年(辛抱強い)
・千里の道も一歩から(着実に取り組む)
・継続は力なり(まじめに取り組む)
・情けは人の為ならず(人への親切は、返ってくる)
・聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥(わからないことは、積極的に人に聞く)

他にも、先人たちの残した格言、小説や映画などの好きな登場人物のセリフ、自分が共感した言葉を見つけてそれを座右の銘にする人もいます。聞いた人にポジティブなイメージを与えられるものにしておくこと、その言葉と自分の繋がりを分かりやすく説明することが重要になってきます。

「座右の銘」を聞かれたときの答え方

面接官は、座右の銘そのものが知りたいわけではなく、学生の価値観やスタンスを知りたいと考えています。そのため、座右の銘を紹介するだけでなく、自らのエピソードを踏まえつつ話さなくてはいけません。この章では、実際にどのように答えると伝わりやすいのか紹介します。

座右の銘について聞かれたときは、以下の流れで答えると説得力が増します。
・座右の銘を紹介する
・座右の銘を選んだ理由を説明する
・理由の裏付けにあたる、エピソードを話す

座右の銘を紹介する

座右の銘を聞かれているので、まずは質問の答えを述べるようにします。座右の銘がない時に、「ありません」「ないです」と答えることは避けるようにしましょう。

座右の銘を質問されて「ありません」と答えてしまうと、自分の考えがない、前向きにコミュニケーションを取ろうという姿勢がないという印象を与えてしまうことになります。

どうしても座右の銘がない方は「座右の銘というほどではありませんが、好きな言葉ならあります」「座右の銘はありませんが、ふだん〇〇に気をつけています」のように、価値観や大切にしていることを伝えられるようにしましょう。

座右の銘を選んだ理由を説明する

学生が座右の銘に選ぶ言葉は、似たり寄ったりになることも多く、座右の銘だけを伝えても自分自身のことを伝えたことにはなりません。なぜ、座右の銘をそれにしているのかを説明するようにしましょう。

例えば、座右の銘が「一期一会」の場合、「私が座右の銘に一期一会にしているのは、人と人の出会いをひとつひとつ大切にしているからです。」のように述べるようにします。

座右の銘だけを述べるよりは、学生の価値観が伝わりやすくなっていますが、まだ誰でも答えられるような回答になってしまいます。自分自身と座右の銘を、より繋げるためには、個人的なエピソードが欠かせません。

理由の裏付けにあたる、エピソードを話す

座右の銘が「一期一会」の場合で、考えていきます。先ほどの、座右の銘を選んだ理由に、個人的なエピソードをたすと以下のようになります。

「私の座右の銘は一期一会です。私が座右の銘を一期一会にしているのは、人と人の出会いをひとつひとつ大切にしているからです。私はもともと、中学、高校時代は部活動の仲間と放課後の時間を過ごすことが多く、狭く深い人間関係がメインでした。そのため、あまり多くの人と話さず、人との出会いを大切にしているわけでもありませんでした。しかし、大学に入り、震災のボランティア活動に参加した際に、多くの現地の方に会いました。彼らとは、これからの人生でもう会わないかもしれませんが、彼らと出会ったことで、今までの私が知らなかったことに触れることができました。その経験のあと、人との出会いを大切にするようになり、私自信、多様な価値観に触れ成長できました。そのため、人との出会いを大切にする一期一会という言葉を座右の銘にしています。」

個人のエピソードをつけたすことで、印象はどう変わりましたか。座右の銘を紹介するだけでなく、理由やエピソードを話すことで説得力を増すようにしましょう。

最後に

就活で聞かれる「座右の銘」の質問は、その言葉そのものよりも、その背景にある価値観を見るための質問であるようです。
自分の過去の経験について「なぜそうしたんだろう?」や「なぜそうなったんだろう?」と考える癖をつけておくことで対策することができます。
突然聞かれても対処できるように、ぜひ考えておきましょう。



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