インターンシップに参加する企業の選び方

「インターンシップは就活に有利なので志望している企業のインターンは参加した方がいい」という声、就活生や大学生はよく耳にしているでしょう。

インターンシップは今では就活の一部として重要な位置を占めるようになってきました。さて、自分も始めてみようかと思ったときに戸惑うのが、インターンシップを募集している会社が多すぎてどれを選んでいいかわからないということではないでしょうか?

そんな時は、業界、職種、場所、条件、興味のある商品やサービスなどからインターン先企業を選んでみてはどうでしょう?今回は、インターンシップ先企業の選び方をご説明します。

企業の選び方
目次

まずはインターンの種類と特徴を知ろう

インターンを考える上で重要なのはインターンシップの種類を知っておくことです。インターンの種類と何ができるか、そして何を得られるかを考えていかなければいけません。ここではインターンの種類についてご紹介します。

短期インターン

短期インターンは1日~1週間のインターンを指す場合が多いです。多くの場合、1dayと1weekのインターンに大別でき、それぞれのインターンでは経験できることが異なります。

①1dayインターンシップ
1dayのインターンはどちらかといえばセミナーのようなものが多いです。また、場合によってはグループディスカッションがある場合もありますが、時間が限られているため内容は薄くなってしまいます。

このインターンの大きな目的は、企業を知ってもらうこと。知識のない人でもわかりやすいように説明してくれるため、企業や業界の知識や研究という点においては大変わかりやすいです。

ただし、注意点があります。企業や業界を説明しているのが企業自身なので、ある程度の主観が入っている・学生の採用目的のため誘導するような説明になることも多いです。その点を理解しておき、自身でしっかり判断しましょう。また、短期間で一人一人と向き合う時間がないこともあり、就職に大きく有利になるということは滅多にないようです。

②1weekインターンシップ
1weekのインターンシップは、企業が用意したプログラムを体験しながら企業や仕事の理解を深めていく取り組みです。学生の参加率も7割と高く、大手を中心に企業の導入も年々、増加しています。

短期インターンの学生側の主なメリットは業界や企業、仕事内容などの理解を深めることができるという点です。また、職場の雰囲気を体感することもできるでしょう。必要なスキルや自身のスキルを知れるので、就活に向けて効果的な対策をとることができます。

長期インターン

長期インターンシップは1か月~1年以上参加するインターンシップで、主にベンチャー企業が開催していることが多いのが特徴です。日本ではまだ大手などはあまり参入していませんが、アメリカでは長期インターンシップが一般的です。長期インターンは、有給のものが多いのも特徴です。

長期インターンシップは実務をOJT形式(実務に実際に携わりながら仕事を覚える形式)で、ある程度の時間を確保して行うことが多いです。実際に業務を行うため責任は大きいですが個人の裁量があります。

経験を通してビジネスマナーやスキル、業界・職種の基礎知識を身に着けることが可能です。また、実際に社員の方と触れ合えることもあり、就職では有利に運べる可能性もあります。実際、インターンを受けていた企業に就職を決定することも多いようです。

長期インターンシップは、学業との両立が難しいのが難点です。しかし実際に新卒入社後にすぐに働ける準備ができる、というメリットがあります。人事担当者が選ぶ際にも、実務経験から同じ業界や同じ職種での成果を鑑みれる指標ができるので、採用の確度が高くなる場合が多いです。

インターンの形式

実践型(ロールプレイング形式)

現場で社員と同じように働き、企業の仕事内容を肌で感じながら理解を深めていく形式です。実際の現場を体験することで、仕事への熱意の向上や身につけなければいけない技能などが明確にわかるというメリットがあります。

課題解決型(プレゼン型)

「企業から課題をもらい、それを1~2週間で考える」という問題解決に特化したインターン制度です。企画の立案や実際のデータを用いたサービスの改善など、プロジェクトの企画能力などを身に着けることが可能です。どのように発言すれば伝わるかや企画のまとめ方と発表の仕方、資料作成などのアウトプット能力を身につけることもできるでしょう。

業務体験型

営業の動向や現場の見学などを行うことで実際の仕事の空気や仕組み、業務への理解を深めることが可能です。大体の場合、社員について業務をを行うため質問がしやすく、自身の理解に落とし込みやすい環境があります。

インターンの探し方

インターンの種類や形式が理解できたら、インターン先を探す準備です。では実際にインターンを探すときの方法はどのようなものがあるのか見てみましょう。

大学のキャリアセンターの紹介を利用する

インターンに参加する学生が急増しているのもあり、大学のキャリアセンターでインターンの紹介をしているところが多いようです。授業の一環でインターンシップを行っていたり、企業と提携しインターンシップの環境を整えている場所もあります。

また、キャリアコンサルタントの資格を持つ職員がいたり個別相談ができる大学もあります。相談できる環境が用意されている場合が多いので、インターンシップについて相談してみるのもいいでしょう。

先輩や知人を頼る

インターンを経験した知人に紹介してもらうという方法もあります。実際に経験した人に聞いてみるのが、簡単ですが最も確実なリサーチ方法です。インターンの注意点や実体験を聞けるので、インターンがどのようなものかもよく理解できるでしょう。

インターン紹介サービスを使用する

インターン紹介サービスでは、実際に募集しているインターンの情報をまとめて知ることができます。条件や地域で調べることができたり、学生をフォローしてくれる仕組みもあります。

求人が多く中身の詳細が分かりにくいものもあるため、注意してください。インターンに受かっていざ働いた時に「思っていたのと違う」とならないよう、事前の下調べをしっかりするようにしましょう。

インターンに参加する企業の選び方

企業の選び方は様々

インターンの探し方がわかったら、次は企業の選定です。企業を選ぶ方法はたくさんありますが、具体的に選ぶ基準としては、以下のようなものがあります。

①志望業界から選ぶ
②志望職種から選ぶ
③条件や場所で選ぶ
④好きなことから選ぶ
⑤評判で選ぶ
⑥職場の雰囲気で選ぶ
⑦社員の人柄で選ぶ

自分の中で選ぶ基準に優先順位をつけ、その中から探っていきましょう。

インターンの企業選びで失敗しないために注意すべきポイント

インターンに参加する目的は?

インターンの企業選びで失敗しないためには、インターンに参加する目的を明確にしておくことが重要です。

いろいろな企業を見てみたいのか、スキルを身につけたいのか、志望企業に熱意をアピールしたいのか、参加の目的によって選ぶインターンの種類が変わってくるからです。

インターンに参加する企業を選ぶ前に、まずはインターンに参加する目的を明確にしましょう。

スケジュールに問題はないか?

インターンの経験からは学ぶことが多いですし就活でもプラスになるものなので、できるだけインターンシップに参加するのはいいことです。しかしあまりに予定を詰め込みすぎないよう注意が必要です。

あれもこれもと短期のインターンシップに申し込んでいると、日時が重なってどちらかをキャンセルしなければならない事態になってしまう人も多いです。インターンのキャンセルは企業に迷惑をかけますし、印象も悪くなってしまう可能性があります。

参加する価値のあるインターンなのか?

インターンシップは、ただやみくもに参加すればいいというものではありません。数をこなしたからといって高評価になったり、就活で有利になるわけではないからです。

実際に自分の目的にあったインターンに参加して、有益な学びがあってこそインターンに参加したかいがあったと言えるでしょう。

「ただの説明会で時間の無駄だった」「思っていたインターンと違った」という感想が聞かれるインターンシップも少なくありません。口コミやインターン体験談を参考にしたり先輩・友達に聞いてみるなどして、実際に価値あるインターンかどうかを見極めることも大切です。

業界で選ぶ

どのような業界で働きたいかを中心に考えている方も多いのではないでしょうか?人気でいうとIT業界や化粧品業界、広告、マスコミ、メーカーなどが高い傾向にあります。

広告業界

新卒人気ランキングでも常に上位になる広告代理店。電通や博報堂に代表されるように華やかなイメージがあり、昔から人気のある業界です。

広告代理店のインターンは実はベンチャーを含め多くあり、仕事に携われる範囲も広いためインターンをしておくことで就職を有利に進められる可能性が高い分野といえます。また、最近は仕事内容が多様化しており、一概にはわからない可能性も高いため、実際にインターンで体験し、業界を知っておくことも重要です。

商社

国際プロジェクトなども手掛ける商社も人気の企業の一つです。販売チャネルの開発や物流ネットワークづくりなどの新規開拓。電気や交通などのインフラ整備などもあります。マーケット分析から企業間のマッチングなど幅広い分野を取りあつかう総合商社も就活生には大人気となっています。

また、半沢直樹などのドラマなどでもみられる事業投資もこの商社の仕事にはいります。ドラマの影響や大きな規模の仕事を自分で行えることなども人気を押し上げている要因でしょう。

化粧品

女性に人気の化粧品ブランドですが、最近では男性も働く人が増えてきています。化粧品業界は、主に研究開発を進める分野・製造を担当している分野(OEM)・マーケット・ブランディングを推し進める分野・販売と4つの分野に分かれています。

化粧品業界は、不況にあまり左右されない業界という話もあり、安定した生活も考えられます。また、新規参入がしやすい環境もあり、将来的に独立して行うこともできることも人気の理由となっています。

職種・技能で選ぶ

営業のインターン

「営業はきつい・しんどい」というイメージがあるのではないでしょうか?確かに営業はノルマに追われているイメージや頭を下げ続けるなどネガティブイメージを持つ人が多いのが現状です。

しかし、実際には営業はメリットの多い職業となっています。営業は、すべての職業の基盤となる仕事です。企画や人事・マーケティングなどの仕事でも、営業経験をいかすことができるでしょう。

営業のメリット①基礎が身につく
例えば企画部は売れる商品を企画開発するのが仕事ですし、マーケティングはどうやって売るかを考える仕事になります。ではどのようにすれば売れるか、どのように売るかを一番理解しているのは誰でしょうか?それは勿論、現場で働いて日々考えている営業ですよね。

また、営業では顧客と会話するコミュニケーション能力と自分自身を管理していくためのマネジメント能力・商品説明のためのプレゼン力などが必要になります。これらの能力は、管理職となった時に大きく役立つでしょう。

営業のメリット②人脈ができる
営業は多くの人と関わる仕事です。他の企業の人と関わることも多くあり、仕事の中で人脈も広がります。将来、企業や転職をされる方もいると思いますが、その時に人脈があるかないかでは大きく違うでしょう。

エンジニアのインターン

近年、インターネットが生活に浸透し、エンジニアの重要性が大きくなっています。エンジニアといっても多岐に分かれていますのでここでは一部の仕事を紹介します。

①自社開発
自社でサービスや商品・ゲームを開発し、運営をしている企業が対象となります。わかりやすい例だとGoogleやYahoo!のような検索エンジンを持っている企業やAmazonや楽天のように自社のECサイトを持っている企業がこれに当たります。もちろん、大手だけでなく自社メディアやECを持っているベンチャー企業も当てはまります。

こちらは常に研鑽と新しい技術を取得し日々、改善を行っていく業務となり、若い世代が活躍できる環境です。自分で新しいサービスを開発し、ビジネスが成長していくのを身近に感じられる魅力があります。

②受託開発
こちらは、企業から依頼を受け他社のサービスなどを開発する企業が対象です。金融系や官公庁系が多く、システムの開発をして企業に納品します。こちらは、企業とプロジェクトをしっかり組んでいく必要があるためプロジェクトのマネージャーのような形になることが多いようです。

営業、企画、総務、財務などの職種はどの企業でも多いでしょうし、現在ではエンジニアも多くの企業で存在する職種です。職種という切り口で将来の就職先について考えてみたり、スキルを磨いていくなら、職種からインターン先を探してみましょう。

営業や企画、エンジニアなどの仕事を学生のうちに経験している人は少ないので、インターンシップに参加することで他の学生と差をつけることができます。

場所や条件で選ぶ

企業の特徴として場所も重要な意味を持っています。通いやすさを重視するなら、場所で選ぶのもいいでしょう。

東京港区

森ビルのある港区では、外資系企業が多い傾向があります。外資企業の分布では、港区が長年1位を持続しており、赤坂、六本木、虎ノ門、汐留、浜松町を中心として外資系が集合しています。また、羽田空港にも近く、赤坂アークヒルズや汐留シティセンターや六本木ヒルズ、東京ミッドタウンなど大型オフィスビルがありまさにビジネスの街といえるでしょう。

表参道

ファッションやビューティー、ウエディング系の仕事で大人気の街です。外資系ブランドが立ち並び、ストリートスナップの定番としても有名な街です。お洒落なカフェが多く、朝から空いているのでモーニングもしっかり楽しめます。結婚式場や衣装会社が多く、ウエディングの街としての一面も持っています。

渋谷

渋谷はビジネスとして有名な街です。渋谷駅直結のヒカリエなどのオフィスビルがあります。「渋谷で働く社長のブログ」とタイトル通り渋谷にあるサイバーエージェントやDeNaがあるのも渋谷で、ITの街というイメージが定着しつつあります。Bunkamuraなど、芸術の複合施設があるので帰りに美術館や観劇・映画を楽しむことも可能です。

丸の内エリア

リクルートなど、多くの大企業がある地域です。丸の内OLなど女性の憧れからできた造語もあるほど人気の地域となっています。東京駅や皇居などは観光でも有名な地域で、夜のイルミネーションなどが楽しめます。

興味・適応のある商品やサービスで選ぶ

留学経験がある、TOEICのスコアなど自分自身の技能や経験を生かせる仕事を探す方法もあります。

英語力がいかせる

ビジネスの本流はやはりアメリカという業界も多いでしょう。また、2か国語で英語を使用する国は多いのが実際です。Googleや楽天など社内でも英語を話すというう企業もあるほど重視されている技能ですが。外資系や国際的な仕事をしている企業ではこのスキルはとても重視されますので、インターンで実際の実務に触れてみてさらに実務経験をアピールに加えるようにしたいですね。

起業・開発経験をいかせる

とても驚くべきことですが、ベンチャーの中には新卒がいきなりグループ会社の社長を任されることがあるようです。また、プロジェクトリーダーなどの素質や自発性を見るという点では学生で起業をした経験というのはとても魅力的に映ります。

また、自分で新サービスを開発・リリースした経験がある方も同様で企業はそうした能力や発想・行動力を大変貴重にみる傾向が強いです。

好きなサービスに関われる

普段使っている日用品やWebサービス、愛読しているメディアなど、もともと知っている企業のインターンに参加して企業の中を覗いてみるというのは大学生だからこそできる経験です。

好きな商品やサービスを作っている企業がインターンシップを募集しているか調べてみてはいかがでしょうか?好きな企業でインターンシップができるというのは魅力的なことですし、将来その企業に就職したくなった時に有利になるかもしれません。

インターン選びで迷ったら

友達や先輩に相談してみる

やはり知り合いの意見はとても参考になるでしょう。実際に説得力もあると思います。先輩は実際に自分の働いた経験と共に自分の同期も働いているので色々な情報を交換していることでしょう。

そのため、色々な実体験の感想や情報を持っている可能性が高いので、どんどん聞いてみましょう。働く前に失敗してしまったことやしておいた方がよかったことを聞ければ事前に準備ができたりインターン選びの参考になります。

就活サービスやインターン紹介サービスを使ってみる

就活サービスを使ってみるのもいいかもしれません。就活サービスとは、就職支援のスキルを身に付けるサービスや求人サイト、就職紹介など多々あります。

このサービスは求職者には無料の場合が多く(企業側からお金をいただいている形が多いです)、実際に就職の支援をしてくれるコンサルタントが在籍していることが多いので自身の希望や能力に合う企業とマッチングさせてくれます。

就活サービスだけでなく、最近では、インターンシップを紹介してくれる専門のサービスもあるので気軽に使ってみましょう。実際の仕事内容など求人や説明ではわからない内容をしっかり説明してくれます。

インターンシップの紹介サービスなら、インターン情報が集約されており、マッチングの実績も豊富です。こうしたサービスを使えば、効率よく自分にあったインターン先を見つけることができるでしょう。

少しでも興味を持った企業にたくさんエントリーしてみよう

複数の企業のインターンにエントリーするのは良くないのではないかと気にしてしまう学生が多いのですが、複数企業にエントリーすることは全く問題ありません。

インターンの倍率は高いので、エントリーしても選考で落ちてしまうことも多く、1社ずつエントリーしていたら参加できるまでに何ヶ月もかかってしまいます。インターン情報を見て、少しでも興味が湧く企業があればとりあえず悩む前にエントリーしてみて、選考に受かって改めて考えてみましょう。

インターンは選考と関係があるの?

「インターンは本選考とは関係ない」と宣言している企業も少なくありません。ところが、多くの人がインターンは就職に有利になると言っています。なぜこのような矛盾が生じるのでしょうか?

実は、経団連が中心になって定めている倫理憲章というものがあり、「インターンと就活は切り分ける」という新卒者に対してのガイドラインができているため、建前上は本選考とは関係ないと宣言しているのです。

しかし、実際に人事はインターンで関わった学生を覚えています。必ずしも実際に切り分けるかというと確約は持てないのが本当の処なのです。

まとめ

インターンシップ参加の目的には業界研究、職業研究、賃金、スキルアップなど様々あり、学生ごとに求める条件も異なるので、インターンシップ企業の選び方は人それぞれです。

もしも迷うようであれば、同じくインターンシップを行いたいと思う友達と情報交換や相談をしながら少しずつ進めてみましょう。

インターンシップの良い所は、失敗してもやり直しがきくところです。行ってみて、自分が思うものと違ったりよりこちらの方がよかったなと思ったら、就職は別の道を探せばいいのです。能力が足りなくても身に着けることや対策を行うことが可能なのです。体験できるこの機会をしっかりいかして、就活を有利に進めていきましょう。

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