理系大学生にとって研究成果を就職活動でアピールすることは重要です。企業の採用担当者にとって、理系大学生が大学で何を学んできたかを知ることができ、採用の参考にできるからです。
本記事では理系大学生向けに、就活における研究成果のアピール方法を解説します。理系の学部生、院生の方はぜひ参考にしてみてください。

- ・採用担当者から見た研究の意義
- ├学生の論理的思考力を見る
- └学生の説明能力を見る
- ・研究成果の効果的なアピール方法
- ├分かりやすさを重視しよう
- ├結論から書こう
- ├定量的に表現しよう
- ├図やグラフを使おう
- └資料を準備しておこう
- ・就活で「研究成果」をアピールする際に意識すべきこと
- ├読む人の気持ちになっている?
- ├研究から学んだことや得たものは?
- └研究成果が仕事と関連づいている?
- ・最後に
採用担当者から見た研究の意義
はじめに、採用担当者から見た理系大学生の研究の意義について解説します。大きく2つのチェック観点があります。
学生の論理的思考力を見る
研究では学生の論理的思考力を測ることができます。研究は背景調査から始まり、仮説を立てデータを元に結論を導くのが一連の流れです。1つの研究の中でそれらの流れが矛盾なくまとまっていなければなりません。研究活動を通して学生は論理的思考力を身につけることができるのです。
社会人には論理的思考力が求められます。誰が見ても正当性のある仕事とは、筋道の通っている論理的な説明ができる必要があります。採用担当者は論理的思考力のある学生を優秀な社員候補として必要としているのです。
学生の説明能力を見る
大学の研究は非常に専門的で、一見すると理解するのが難しいのが多いです。そんな中で、自分の研究を相手に分かりやすく伝えることができるかどうかは成果アピールのために重要です。説明能力があるかないかで研究成果のアピール効果は変わってきます。
採用担当者は難しい研究成果を分かりやすく説明してくれる学生を求めています。会社の仕事において、プレゼンはもちろん日々の業務でも同僚や上司に自分の考えを「分かりやすく」伝えることが大切だからです。
上記の論理的思考力と併せて、聞き手の置かれている状況や知識レベルを鑑みて柔軟に説明できる能力は社会人に必須の能力です。
研究成果の効果的なアピール方法
研究成果を効果的にアピールする方法を、具体的に解説していきます。
分かりやすさを重視しよう
上述したように、研究成果の説明は分かりやすさが大切です。採用担当者も専門家ではないので、教授や研究室の仲間と話すのと同様に話すことは控えましょう。
ポイントとしては、極力専門用語を減らして一般的な用語で説明することです。専門用語を使う際には簡単な説明を補足すると分かりやすいです。
例
×:私は暗号理論を研究しており、AES暗号を改良し格子理論を組み合わせた新方式の安全性証明をゲーム方式で示しました。
○:私は情報セキュリティについて研究しています。広く使われているAES暗号というものを改良し、その方式の安全性を証明しました。
結論から書こう
研究の成果を相手に知ってもらうためには結論から伝えることが重要です。1つの研究を説明するとなると、背景から結論までかなりの文量になってしまうので途中で読み手が迷子になってしまいます。先にゴール(結論)を示しておくことで説明が頭に入りやすくなってきます。
いきなり背景から書くのではなく、まずは簡単に自分の成果を示しましょう。
【例文】
私はAIを用いた物流の最短経路算出アルゴリズムを考案し、運送コストを30%削減できる方式を開発しました。研究を始めたきっかけとして○○があります。このような問題を解決するために■■の手法を組み合わせました。結果として運送コストを30%削減することができました。
面接でも同様です。まずは自分の研究の内容と成果を一言で説明してから研究内容を話していくとよいでしょう。
定量的に表現しよう
論理的な説明をするためには主張の根拠をはっきりとさせる必要があります。そのためには定量的に(=数値を用いて)説明することが有効です。数値は誰の目から見ても客観的に評価することができるためです。
極端な例を挙げます。
例
×:本研究の成果として、従来の通信方式より大幅にオーバーヘッドを削減することができました。
○:本研究の成果として、従来の通信方式よりオーバーヘッドを40%削減することができました。
数値を入れ込むことで具体的にどれくらいの成果があげられたのかが分かりやすくなります。
研究成果は課題の提示から研究成果の流れで説明します。解決した課題がどれくらいの問題点なのかを示すためにも数値は必要ですし、研究成果でも数値を用いて説明するようにしましょう。
図やグラフを使おう
研究成果をアピールする時にはグラフや図を用いて説明しましょう。採用担当者は一日に何百もの応募書類に目を通すこととなります。研究成果がひと目で分かるような図やグラフがあれば目に留まるだけではなく、研究成果を理解してくれやすくなります。
特に、上述した「定量的に成果を示す」ことができていれば図やグラフとの相性は抜群です。研究成果を説明しようとするとどうしても文章が長くなりがちですので、読む方も飽きてしまいます。背景、課題、研究内容、研究成果でそれぞれひとつずつくらいは図やグラフを差し込むとよいでしょう。
資料を準備しておこう
就職活動では面接時にも研究成果について質問されることが多いです。それに備えて自分の研究成果を説明するための資料を用意しておくと効果的です。
企業によってはエントリーシートの研究成果記入欄が少なかったり、文章しか書けない場合もあります。それだけだと説明しにくい場合が多いので、自分で研究成果を図やグラフにまとめてA4一枚くらいの資料として面接に持っていきましょう。
もし、資料の利用が認められていなければ引っ込めればいいだけの話です。周囲と差をつけるためには有効な戦略でもあります。
就活で「研究成果」をアピールする際に意識すべきこと
就活では、「研究成果」のアピールの仕方を間違えると、マイナスの印象になってしまうことがあります。次のポイントを意識することを忘れないでください。
読む人の気持ちになっている?
「研究成果」をアピールする時は、アピールを読む(聞く)人の視点になってみることです。「専門用語が多すぎないか」「わかりづらい部分はないか」など、客観的な視点で見返してみましょう。
初めて読んだ(聞いた)人でもわかる内容でなければ、「説明能力が低い」「わかりやすく説明することができない」とみなされる可能性があります。
家族や友人など、自分の研究について専門知識のない人に内容をみてもらい、わかりづらいところがないか確認してもらうといいでしょう。
研究から学んだことや得たものは?
就活の自己PRでは、研究内容の説明だけでは不十分です。面接官や採用担当者が興味を持っているのは、「あなたの研究内容」だけでなく、「あなたがどんな人か」「どんな経験をしたか」ということです。
「研究のために努力したこと」や「研究で工夫したこと」からは、あなたが困った時にどんな行動をするのかわかります。「研究で学んだこと」や「研究で得たもの」からは、あなたの強みや仕事にいかせるスキルがわかります。
研究成果が仕事と関連づいている?
研究結果や研究の成果をアピールするのもいいですが、最後に必ず「研究で学んだことを仕事にどういかすのか」ということも伝えましょう。
志望企業の事業内容と研究分野が一致していればアピールしやすいですが、一致していなくても構いません。その場合は「研究の知識や経験をいかしてこんな仕事がしてみたい」という新たなチャレンジや目標に言及するのもいいでしょう。
最後に
理系の大学生向けに研究成果を効果的にアピールする方法を解説しました。採用担当者は理系人材に論理的思考力を求めています。研究活動を通して論理的思考力が備わったことを積極的にアピールしていきましょう。
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