インターンシップガイドが主催する「就活・インターンおもしろ体験談グランプリ」では多くの方におもしろ体験談を投稿していただきました。
今回はグランプリ特賞を獲得された流学生リゲスさんにインタビューしました。

流学生リゲスさんの投稿
島根の離島で教育魅力化の長期インターンをして、人生観が変わった日
大学3年秋。就活目前のモヤモヤ期に一念発起で休学し飛び込んだ地は、日本海に囲まれた、コンビニひとつない超ど田舎。
本土からは船しか交通手段がなく、片道なんと3時間。島にある商店はどこも19時には閉店する不便な場所。 しかし、そこに住む人たちは皆面白くて不思議な経歴の持ち主ばかり。なぜこんな離島に多くの変人が集まるのか、謎の一言だ。職場は公立塾。だが、塾なのに塾らしくない。私の勉強してきた塾とは性質が全く違うのだ。
なんだろう、この地に足のつかない感覚は...。 自然と引きづりこまれていく私。気づけば、インターンに来た大学生から、いち島民になっていた。そんな島でのインターンが私に与えたものとは。
「このままでいいのか」というモヤモヤがインターン挑戦のきっかけ
ご応募ありがとうございます、はじめに応募した理由について聞かせてください。
インターンを終えて自分が経験したことを誰かに伝えることで、1度振り返ろうかなと思い投稿しました。またおもしろ体験談のグランプリを開催しているインターンシップガイドで、僕の所属している組織のインターンシップを募集しているので宣伝も兼ねて貢献できたらという部分もあります。
その長期インターンを始めた理由はなんですか?教育の仕事に関心があったのでしょうか?
就活前に自分の将来に対してモヤモヤしていて、自分がどこまでできるのかという挑戦として長期インターンを探していました。
子どもの教育に関するボランティア活動も経験していて、教育業界にも興味はありました。その後新聞などを漁って見つけた島での長期インターンに惹かれて、大学を休学して参加することにしました。
就活目前のモヤモヤ期とは、具体的に何に悩まれていたのでしょうか?
周りが就活をし始めたころ、大学を卒業して社会に出ていくということが上手く想像できませんでした。自分のことがよくわからないまま就活しても、このままでいいのだろうかとモヤモヤ悩んでいました。
「一念発起し飛び込んだ地」になぜ「日本海に囲まれた、コンビニひとつない超ど田舎」を選んだのでしょうか?
一度自分が全く知らない、新しい環境で挑戦したいと思い離島でのインターンに挑戦することにしました。また大学では社会学部に所属していて、日本の社会問題である都市部と地方の子どもたちの教育格差に関心があったので今回のインターンとマッチングしました。

離島で子どもたちの教育に向き合う
インターン先の島はどのようなところですか?
僕が滞在した場所は島根県にある隠岐の島というところです。隠岐の島は4つの島からなっていて、所属していた団体が活動していたのは島前(どうぜん)という西ノ島町、海士町、知夫村の3つを合わせた地域です。ユネスコ世界ジオパークに登録されているものすごく景観がきれいな場所です。イカの漁獲量が多く、隠岐牛や岩牡蠣などが名産になっています。
島での生活はどのようなものでしたか。よろしければ具体的に一日のスケジュールなど教えていただけますか?
お店の閉店時間が早かったり、日曜日にお店が開いていないなど不便なこともありました。島の暮らしというのを体験したかったので釣りをしたり、
農作業を手伝ったりもしました。夏になるともちろん海に潜りました!
スケジュールは時期によって変わりますが、基本的に午前中はフリーで午後の13時から22時までインターンの活動を行っていました。
「そこに住む人たちは皆面白くて不思議な経歴の持ち主ばかり」とありますが、流学生リゲスの一番印象に残っている方はどういった経歴をお持ちでしたか。
一番印象に残ったのはアルバイトをさせていただいた旅館のオーナーの方です。地元の方で最初は音楽関係の道に進んでその後、東京や関西で料理人として修業をして島で旅館を運営をしています。
すごく愛情にあふれている方で、たくさんのお客さんが全国からそのオーナーに会いに来てくれる魅力的な人でした!
リゲスさんが所属していた塾はどのような活動をしているのですか?
基本的に島に唯一ある島前高校に通う高校生を対象としています。所属していた団体のプロジェクトの目的は魅力的で持続可能な学校と地域をつくることにあります。そのために、高校を拠点とした隠岐島前の教育と地域をつなぐ取り組みをし、ローカルからグローバルまで視座を自在に行き来できる「グローカル人材」の育成に力を入れています。
職場の塾では学校や受験の学習サポートの他、「グローカル人材」の育成のために、住んでいる地域から世界までの人々と生徒をつなぎ、学びを深める活動も行っています。
都市にある一般の塾との違いはどういうところにあると思いますか?
僕たちの塾では2つの柱を立てて活動しています。1つ目は生徒たちの自立学習のサポートです。生徒の数が多く一人ひとりの進路もレベルも違うため、基本的には自習のような形をとっています。生徒たちの自立学習を実現するために週に1回面談で勉強の計画を立てるなどサポートを行っています。
2つ目の柱は「夢ゼミ」というキャリア教育です。夢ゼミとは、対話や実践を繰り返し、自分の興味や夢を明確にしていくための授業です。自分の興味と地域・社会との接点を、3年間かけて模索しながら夢を明確にすることで、自分なりの進路実現につなげていきます。
リゲスさんから見て島の魅力はどのようなものでしたか?
景色の良さなど自然的な良さはもちろんありますが、それ以上に人の温かさや繋がりを感じることができることが魅力だと思います。暮らしてみると公共交通機関など不便なこともありますが、困ったら誰かが助けてくれるという空気や土台が島にはあるんです。不便な場所ではあるけども、不便さは全く感じないと思っています!

大人だって可能性は無限、一歩踏み出す力が大切
インターンを通して、モヤモヤ期に抱えていた悩みは解決されましたか。また、現在就活中でしょうか、もしくは就活終了していますでしょうか。その際にご経験はどういう形で役に立っていると考えますか。
この長期インターンを通じてモヤモヤ期の悩みを解消できたと思います。インターンで子どもたちのキャリア教育に携わっていくうちに、自分の将来のビジョンや価値観が少しずつ見えてきました。
また島で生活している様々な経歴のある大人たちを見て、自分が思っているより柔軟に生きていけるのだろうなという気づきを得られました。
「そんな島でのインターンが私に与えたものとは。」とありますが、そのインターンから何を与えられたのですか。
子どもたちと接することが自分に及ぼす影響が大きかったです。生徒たちだけでなく、自分を含めた大人も可能性は無限だということの気づきはすごく大きな収穫だったと思います。
例えば島で働いている大人は大体島の外で何かしらの技術を得てから島に戻ってくる人です。またIターンで隠岐の島に移住して生活している人もいます。先ほど話した旅館のオーナーのように色々な経歴を持つ人たちと過ごしているうちに、意外と柔軟に働き方や生活を変えていけるのかなと視野が広がりました。この長期インターンで自分を見つめなおす機会がつくることができました。
今後の就活はどのような軸で見ていきますか?
やっぱり子どもたちの教育や成長の場に関わっていきたいと考えています。また自分がのびのびと活躍できる環境というのを軸にして就活していきたいです。与えられた仕事をこなすだけというより、自分で考えてやりたいことを達成できるということがすごく自分の成長につながったとこのインターンを通じて実感しました。
最後になります、22卒の学生の就活に向けて、何をすべきかなどのアドバイスをいただけますでしょうか。
今僕は自分の世界はいくらでも変えられると思っています。その時に必要なのは一歩踏み出す力です。この力は鍛えたりするのは難しいかもしれませんが、やりたいことに向かって一歩踏み出せたという経験はその後のキャリアに生きてくると思います。そして自分が本当に何をやりたいのか問える・考える時間を持ってほしいと思います。
最後に
自分の進路についてはっきりしていない状態で就活をすると不安になることがたくさんあります。そんなとき流学生リゲスさんがおっしゃっていた自分のやりたいことを考えて、その目標に向かって一歩踏み出すという経験が重要になってくると思います。皆さんも今まで経験したことがないことや、やってみたいと思ったことに積極的に挑戦していきましょう!
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