理系は就職に有利って本当なの?

就職には文系より理系が有利だとよく聞きます。また、ここ数年の就活市場では理系人気が高いと言われており、早い時期に内定が出ているのは理系の学生が多いようです。

理系出身であることは就活において本当に有利なのでしょうか?ここでは就職率などからその真偽を見極め、理系学生が就活を有利に進める方法についても解説します。

理系学生がインターンに行くべき理由
目次

「就職には文系より理系の方が有利」は本当?

就職率から見ると理系有利とは言えない

2018年3月に卒業した大学生の就職率は、文系が98.2%、理系が97.2%と、文系出身の学生が理系をわずかに上回っています。(厚生労働省と文部科学省の調査。2018年4月1日時点)

統計を取り始めた平成9年以降、文系が理系を上回ったのは初とのことですが、それまでも理系と文系の就職率は僅差であることから、最終的には文系・理系であることが就職に大きく影響するとは言えなそうです。

早期内定がもらえる確率は理系の方が高い

企業の応募職種のなかには、理系学部で学ぶ知識が必須とされるもの、特定の専門技術や知識を持った学生でないと対応できないものもあります。

そのため、その条件に該当する理系学生は、早期に内定をもらえる傾向があります。内定が早くもらえる点においては理系が優勢なようです。

理系が就職に有利だと言われる理由は?

就職率では文系のほうがわずかに優勢なのに、理系のほうが有利だと言われる理由は何でしょうか?

理系限定の求人がある

研究・開発・設計などの職種は、そもそも理系学生限定の募集である場合があります。特に研究開発職に至っては、大手企業を中心に、修士課程以上を条件に挙げるケースが多く見られます。

理系しか応募できない職種がある一方、文系限定の職種というものはまず見られません。理系の方が職種の選択肢が多くなるため、その点においては有利だと考えられるでしょう。

大手企業の採用人数は理系職が多い場合がある

大手企業の採用人数は理系職の方が多い場合があります。例えばホンダでは、理系の採用比率が85.9%、川崎重工業では91.1%というデータもあります(東洋経済新報社「就職四季報2019版」より)。そのため、理系の学生は大手企業に多く就職しやすいと考えることもできます。

専門知識は就活で高評価

大学で専門の分野について研究をしてきた理系学生は、就職の時点で高い専門知識が身についています。そのため就職後からすぐに知識をいかして、即戦力となることができます。

理系職であっても文系の学生が応募できることがありますが、おのずと専門性の高い知識を持っている理系出身者の就職が多くなる傾向にあります。就活では専門知識があることは高評価となるのです。

就活における理系のデメリット

理系学生は忙しい

就職に有利なイメージのある理系の学生ですが、文系の学生に比べて圧倒的に不利なことがあります。それは、多忙により就活のスケジュール管理が大変だということです。

実験や研究、長時間の観察、課題の提出など、理系学生は文系の学生に比べて学業に費やす時間が多いです。特に修士課程以上であれば、研究室にこもりっぱなしになることも多く、就活との両立が難しくなります。研究に没頭していて志望企業のエントリー期間が過ぎていた!という事態になりかねません。

就活のスケジュール調整も大変

そのため、理系の学生は、自己分析や業界研究、企業研究に早めに取り組み、就活解禁となる3月からスムーズなスタートを切らなければなりません。志望企業の会社説明会やエントリー締切日、一次面接などの日程を確認し、それに合わせて課題や研究のスケジュールの調整もしておきましょう。

教授や指導教務との関係作りも大切です。就活に協力してもらえるように、信頼関係を築いておけると安心です。多忙ななかでの就活は大変だと思いますが、学業と就活、同時進行する事柄にうまく対応することで、社会に出てからも役立つ、忍耐力やマルチタスク力が身につけられます。何とか乗り切りましょう!

就職先が限定される

理系学生の強みは高い専門知識ですが、そのため応募しやすいのが専門知識を発揮できる仕事に限定されてしまうというデメリットがあります。

専門の研究と全く関係のない業界や職種を受けると、「どうしてうちを志望したの?」と疑問に思われることも。面接官を納得させるような、説得力のある志望理由が必要になります。

理系学生が就活を成功させるためにできることは?

文系の学生に比べて忙しく、就活に専念しにくい理系学生が、就活を成功させるためにできることは何でしょうか?

学校推薦枠を狙う

理系には、「学校推薦」という理系特有の就職制度があります。

学校推薦は大きく2つに分けられます。その1つが「学科推薦」です。企業が大学の就職課に、「このような条件を満たす優秀な学生を紹介してください」と要望を出します。それに対し、大学側が「この学生ならお役に立てるはずです」と学生を推薦する仕組みです。

もう1つが「教授推薦」です。教授の縁故のある企業に推薦してもらえます。教授が個人的に推薦する場合もあれば、研究室にあらかじめ特定企業の推薦枠が設けられている場合もあります。

いずれも成績優秀かつ、研究熱心な学生が対象になる場合が多いので、就活が近づいたからと急にアピールしても効果は薄そうです。日頃からの学業への取り組みが評価されます。

研究分野を活かせる職業を選ぶ

専門的に学んだことがそのまま活かせる企業では、OBも多く就職している場合もあり、採用に有利に働く場合があります。ただ、該当分野を専門的に学んだのは自分だけはなく、他の大学にも同じような学生がいるので油断は禁物です。

勉強した内容だけでなく、学校生活や研究を通じて身に付けられたスキルやセールスポイントを上手にアピールして、他の学生と差をつけられるように準備しましょう。

英語力をアップさせる

大学時代も海外の研究論文やデータに触れる機会が多いと思いますが、理系企業や職種に就職した場合も同じく、英語の論文やデータを扱う機会があるため、必ずと言っていいほど英語力が必要とされます。そのため、英語力をアピールできれば就活において有利に働きます。

英語力をアピールする分かりやすい指標として、TOEICに挑戦してハイスコアを取っておくといいでしょう。在学中も役立ちますし、業種・職種問わず英語力は評価の対象になりますので、英語力をアップさせることは決して無駄にはなりません。

インターンシップに参加する

忙しくて企業研究や自己分析になかなか時間をさけないという理系学生には、インターンに参加することをおすすめします。インターンなら、実際に仕事を体験しながら業界のことを学べますし、就業体験を通して自然と自分のやりたいことや将来のイメージが明確になってきます。

スケジュール的に難しいという理系学生には、サマーインターンやウィンターインターンなど、夏休みや冬休みなどの長期休みの期間だけ参加できる短期インターンがおすすめです。

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まとめ

理系の学生は専門分野が就活に活かせるという強味がありますが、専門分野が必ずしも就職に結びつかない場合もあり、また、研究や勉強で忙しく、文系の学生ほど就活に専念できないことから、必ずしも就職に有利ではないことが分かりました。

文系・理系関係なく、それまでの取り組みや個人の資質が判断の対象になりますので、専門的な技術があるからといって安心したり、専門分野が就職に直結しないからといって落ち込んだりすることなく、精力的に就活に取り組みましょう。



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