複数の施設を連続的に訪問する周回行動は、日常生活で頻繁に観察される。しかしながら、周回行動は施設を訪問する際の重要なスキームであるにも関わらず、それを施設の立地計画へと明示的に考慮した研究はあまり見受けられない。本研究では、複数の施設を訪問する周回行動を前提とした、集客施設のための最適立地問題を提案する。具体的には、利用者がランダム効用理論に基づく周回行動を行う前提の下、新規施設の集客数最大化問題を提案する。その上で、利用者の行動特性の変化が、最適立地点に如何なる影響を及ぼすか考察する。また、人々が周回行動を行う際は、異なるサービス種別の施設を訪問する場合も多い。この点に鑑み、複数のサービス種別を考慮した場合の、集客数最大化問題も提案する。本研究で得られる主たる知見は以下の通りである:(a)利用者が2ヶ所の施設を訪問する場合、新規施設は既存施設に隣接するよう立地するのが、多くの場合最適となる;(b)3ヶ所の施設を訪問する場合、新規施設の最適立地点は既存施設のWeber点付近となる;(c)複数のサービス種別を考慮し新規施設を立地する場合、施設規模に多寡によって適切な戦略は異なる。
仕事内容
複数の施設を連続的に訪問する周回行動は、日常生活で頻繁に観察される。しかしながら、周回行動は施設を訪問する際の重要なスキームであるにも関わらず、それを施設の立地計画へと明示的に考慮した研究はあまり見受けられない。本研究では、複数の施設を訪問する周回行動を前提とした、集客施設のための最適立地問題を提案する。具体的には、利用者がランダム効用理論に基づく周回行動を行う前提の下、新規施設の集客数最大化問題を提案する。その上で、利用者の行動特性の変化が、最適立地点に如何なる影響を及ぼすか考察する。また、人々が周回行動を行う際は、異なるサービス種別の施設を訪問する場合も多い。この点に鑑み、複数のサービス種別を考慮した場合の、集客数最大化問題も提案する。本研究で得られる主たる知見は以下の通りである:(a)利用者が2ヶ所の施設を訪問する場合、新規施設は既存施設に隣接するよう立地するのが、多くの場合最適となる;(b)3ヶ所の施設を訪問する場合、新規施設の最適立地点は既存施設のWeber点付近となる;(c)複数のサービス種別を考慮し新規施設を立地する場合、施設規模に多寡によって適切な戦略は異なる。